明大シンポ第4弾 ネット社会と若者文化 開く
現代IT社会をテーマにしたシンポジウムの第4弾「ネット社会と若者文化」が、2004年12月10日(金曜日)午後6時から、明治大学リバティタワー地下1階の1001号教室で開かれた。学生のほか社会人も含めて約200人が参加、講演のあとは会場から活発な意見が出され、閉会予定時間を1時間近く延長して9時近くまで熱心な討議を続けた。
最初の荷宮和子さんは、匿名掲示板の2ちゃんねるなどを素材に、現代若者は「すっかり怒らなくなって」、「決まったことはしょうがないとあきらめがち」、「みんなと同じなのは嫌だが、違うのはもっといや」、「知らないことを恥とも思わず」、「弱気をくじき強気を助ける」といった傾向が強い、となかなか挑発的な発言。
続いてペクソンスさんも韓国のインターネット新聞、OhMyNewsなどを例に上げながら、日本と韓国のオンライン発信の違いは「双方向性」の有無だと、これまたなかなか刺激的で、検索サイト、ヤフーの日韓両国版を見ながら、彼女が説明したところによると、「同じサイトの各国版だから、基本的には同じ体裁なのに、日韓では顕著な差がある。それは記事に対する読者の意見の有無」で、これは大手マスメディアも同じ、「記事に署名も記者のメールアドレスもなく、読者の反論コーナーも用意していない。ちょっと卑怯でないですか」と。
二人よりひとまわり若い若槻絵美さんは、「著作権と創作活動」というタイトルで、弁護士として取り組んでいる「クリエイティブ・コモンズ」の運動を紹介しながら、極端な著作権強化の動きが進むのに対抗して、著作権法の枠内で合意を見つけようとする新しい試みについて報告した。
討議では、荷宮さんの現代若者像にからんで会場の学生から活発な質問や意見、反論が出され、また日韓におけるインターネット利用の差について、原因は「両国人口の年齢構成の差」によるところが大きいのではないかとの指摘がなされるなど、パネルと会場が一体となったやりとりが続けられた。
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