スローなブログにしてくれ
ユニバーサル・デザイン普及に取り組んでいるユーディットの関根千佳さんが書いた『スローなユビキタスライフ』(地湧社刊)の出版記念パーティが23日にあった。この本は文部科学省「横断的科学によるユビキタス情報社会の研究」の「やおよろずプロジェクト」から派生したものらしく、会場はプロジェクト関係者を含め200人以上の参加者で盛況だった。
関根さんが強く望む理想的なユビキタス社会を小説として展開したものだが、彼女のIT社会にかける情熱の強さを感じさせ、この種の物語にありがちな「○○審議会の長期ビジョン」的いかがわしさを蹴散らしているところが爽快である。
ストーリーテラーとしての才能もなかなかだが、とくに「スローな」という形容詞がいい。
技術はどうしても速さ(ファースト、スピード)を追い求めがちだが、ほんとうに豊かな生活はもっとゆっくりした時の流れの中にある。どうにでも利用できる技術をうまく社会に適用させる知恵がいま求められており、「サイバーリテラシーはIT社会のエコロジー」だというのが私の持論でもある。
関根さんのパーティの盛況ぶりを眺めながら、そういう思いの人びとがけっこういるのだと感じて、少し嬉しかった。
ところで、タイトルの「スローなブログにしてくれ」というのは、ブログものんびりやりたいという程度の意味である。すでに十分のんびりした「サイバー閑話」ではあるが……。
投稿者: Naoaki Yano | 2005年08月28日 17:30