ども。違いの分かる男、kikです。
我々はテクノロジーを使っているのか、それとも使われているのか…といった話は 『モダン・タイムス』 でも書いたような気がしますが(書いてなかったらごめんなさい)、更に進んでテクノロジー(人工知能)が意思を持って人類に反乱を起こす…てな話も、SF映画には昔からあるテーマです。
でも、まあ、それって現在も未来も(文字通り)サイエンス・フィクションでの話でしょうね。だって、コンピュータはプログラミング通りに動く道具ですからね。別な言い方をすると、コンピュータはプログラミングされた通りにしか動けないわけで、プログラムがなければただの箱に過ぎません。
SF映画史の金字塔として知られる本作でも、宇宙船のコンピュータHAL(アルファベットを1文字ずつずらすとIBMになる)が、乗組員に反逆するシーンが有名ですけど、この場合、HALは(人間のプログラマなのか宇宙の誰かなのかはともかく)、意思を持つ何者かによってそうプログラミングされていたことになるわけです。
…という観方は本作の鑑賞法として邪道かもしれませんが、敢えてそう観てみると、なんか(コンピューターが勝手に意思を持つという話より)怖い話じゃありませんか? だって、それってサイバーテロ(攻撃)ですからね。一気にフィクションの枠を超えてきちゃう。
ご存知の方も多いと思いますが、サイバーテロ(攻撃)は、既に世界中で起きています。核施設を狙ったStuxnetなどが有名ですが、コンピュータウィルスを含むサイバーテロ(攻撃)の被害は、年々増え続け、その規模も被害も深刻さを増しているのが現実です。
我々が普段使っているパソコンやスマホも、常に攻撃の対象とされています。そういえば僕の友人は、某サイトでハンドルネームを入力しようとしている時に、飼い猫がキーボードの上を歩き回ったおかげで、ワケの分からないアルファベットの羅列がハンドルネームになってしまいました。これなんかは、猫によるサイバーテロと言っても過言ではないかもしれません(過言です)。
冗談はともかく、一番の問題は、こうした攻撃のための道具=プログラム(武器)が、少しばかりの技術と、数万円程度のパソコンがあれば簡単に作れるってことです。そのためか、ウィルス作成者の数も日々増え続けているそうです。人類は、人類を攻撃することに余念がありません。
映画の冒頭、謎の物体モノリスが、ヒトザルに人類への進化を促すシーンがあります。すぐに道具=骨(武器)として認識したヒトザルが、その骨を空高く放り投げると、骨は最新の軍事衛星へと変ります。映画史に残る名シーンではありますが、人類の生まれ持った攻撃性を表現した、非常に哀しいシーンとも言えるでしょう(言わなくてもいいですが)。
ちなみに、こんなに有名な本作も、公開当時は賛否両論相半ばし、興行的に大きな成功とはなりませんでした。興行的に最も成功した地域は日本で、この年の興行成績4位に入っています。日本の先見性恐るべし。
監督 スタンリー・キューブリック
脚本 スタンリー・キューブリック アーサー・C・クラーク
出演 キア・デュリア ゲイリー・ロックウッド 他
追記:上記を書いた後で、ネットを徘徊していたらこんな記事を見つけました。
『人工知能が人工知能をプログラムする時代がやってきた』
やっぱり、いずれ人工知能が意思を持つかもしれないなあ…。
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