新サイバー閑話(104)<折々メール閑話>㊻

ついに「れいわの出番」がやって来る!

B 12月10日のNHK日曜討論で自民党のパーティ券キックバック問題に関して、れいわ新選組の高井たかし幹事長が以下のように発言しました。

 なぜ、自民党にこれだけ多額の献金が集まるのか。それは見返りがあるからです。消費税が3%、5%、8%と引き上げられるたびに法人税は逆にそのつど引き下げられてきました。この30年間、国民が汗水流して収めた消費税のなんと7割が、法人税の減税の原資にされています。法人税引き下げによって国内企業の内部留保は10年間で1.8倍、250兆円も増えています。毎年24億円もの大金を自民党に献金している経団連会長が記者会見でこう言いました。「献金は社会貢献だ。何が問題なんだ」。でも献金の本当の目的は税のおまけをしてもらうことです。そしてそのおまけの原資は国民が払う消費税ですよ。これのどこが社会貢献ですか。

 本コラムでもときどき引用するトラジロ君がこの動画を紹介しつつ、「よく言ってくれたなと思いますね」と感慨深く述べていましたが、いまこそ国民も自民党政治の本質をよく見据えるべきだと思います。
 と言うより、まさに「今だけ、金だけ、自分だけ」という矮小な世界に落ち込んでいる現代政治の泥沼を理解すると同時に、れいわ新選組こそが国民の声を代弁してくれていることに気づくべきです。大企業で働く正社員の人にとっても、これは同じです。「自分たちだけが良ければ」という考えでは日本社会は立ち行かないところまで来ており、いずれはその禍が我が身に降りかかってくることを理解しないといけません。大企業だって、国の将来を考えれば、いまの政治がいいとは決して言えないはずですね。前2回にわたって見てきたように、それほど今の政治はひどい。
 岸田首相はいまになって安倍派閣僚らを更迭すると言っており、これで安倍派が壊滅的打撃を受けようとも、他派閥が勢力を回復するばかりで、自民党の体質改善、さらには日本政治の浄化へと結びつく可能性はむしろ少ないでしょう。その構図の中に企業経営者、さらには大手メディアもどっぷりつかっているわけです。
 自民党政治ににじり寄って、そのわずかなおこぼれをもらおうとしている他党の多くは、もはや決して「野党」とは言えない。山本太郎とれいわ新選組が結党以来、声を大にして訴えてきたことこそが、国民の気持ちを代弁していることに気づいてほしいと思います。

・「切り込み隊長」大石あき子、激動の2

A いよいよ本当にれいわの出番ですね。2019年に山本太郎がたった一人で立ち上げたれいわ新選組も、ようやく8人の国会議員を擁する政党になりました。と言ってまだまだ弱小勢力で、国会ではいじめられることはあっても、あまり相手にしてもらっていないですね。山本太郎はれいわが一定の存在感を持てるために、次期衆院選で国会議員20議席はほしいと言っていますが、次期衆院選こそ大きなチャンスだと思います。
 れいわのまだ短い歴史を振り返ると、山本太郎に次いで衆院議員となり、今はれいわ共同代表をつとめる大石あき子、くしぶち万里の2女性がれいわ進展に尽くした役割は大きいですね。

B 大石あき子(晃子)が衆院議員になったのは2021年11月です。そのときの衆院選で大阪5区から立候補し小選挙区では敗れましたが、重複立候補していた比例の近畿ブロックで28議席中最下位で当選したんですね。

A 当時本人がユーチューブで、「街頭でよく『残念だったねえ』と慰められるんですよ。『いや、私、当選したんですよ』」と言っていたのがつい最近のようですが、その後の「切り込み隊長」としての活動は目覚ましいですね。
 大阪大学大学院で環境工学を専攻したあと大阪府に就職、あの橋下徹が大阪府知事になって職員にハッパをかけた朝会だかで、橋下徹に噛みついて名を上げたようです。議員になってからも一貫して維新(日本維新の会)批判や、大阪府・大阪市が推進するIR(カジノ)や大阪万博批判を繰り広げてきました。大阪万博がいかに時代遅れの金食いイベントであるか、今ようやく明らかになりつつあります。
 その間、一時は上司だった橋下徹に名誉棄損で訴えられ、「大石あき子橋下徹に訴えられたってよ」とツイッターで反撃したり、『維新ぎらい』という本を出したりしています。
 2022年12月にはくしぶち万里とともにれいわ新選組の共同代表になりました。増税反対デモも彼女が提案、大阪で始めたものですね。最近では、イスラエルのガザ侵攻に対して国会や街頭で激しい批判を続けています。街宣で涙まじりに痛烈な゙イスラエル批判、アメリカ批判をされたのを見ましたが、ほんとに小柄な身体は闘志の塊ですね! 
 ジャーナリストの鮫島浩との対談では、維新批判だけでなく、その矛先は立憲民主党にも向けられています。彼女に言わせると、立憲民主党も自民党とたいして変わらず、議員一人ひとりの個性よりも党の統制が強いらしい。「立憲しぐさ」という見事な皮肉は痛快そのもの。さもありなんという気がしますね。

B 国会でも、闘う野党の復活をめざして本会議議長席前で抗議行動をしたり、予算委員会で岸田首相を「この鬼」、「資本家の犬」、「財務省の犬」と呼んだり、なかなか先鋭ですねえ。

・入れ替わり当選のくしぶち万里、「弁明」に真骨頂

A くしぶち(櫛渕)万里は、2022年の参院選に衆院議員だった山本太郎が打って出る決断をしたときに、入れ替わりで衆院議員になりましたが、山本太郎の空席を埋めるに十分な活動で、大いに存在感を示しました。
 彼女は大学卒業後、ピースポート事務局長をしたことがあり、新党さきがけの田中秀征の「さきがけ塾」にいたこともあります。

B 新党さきがけ代表代行もつとめた田中秀征は、このところよく言及している石橋湛山の孫弟子にあたるとか、いまは隠退しているようだけれど、まっとうな政治家で、彼女もその血筋を引いているわけですね。
 一時、民主党の衆院議員もつとめました。前回衆院選(東京22区)から立候補して落選しましたが、れいわは比例東京ブロックで1議席を獲得して山本太郎が当選、先にもふれたように、彼が参院選に転戦することになり、彼女が入れ替わりで当選したわけです。
 その間のいきさつについては『山本太郎が日本を救う』(サイバーリテラシー研究所刊、アマゾンで販売中)で「山本太郎は男でござる」と題して詳しく紹介しました。本<折々メール閑話>は山本太郎の男気に感じて続けているところがありますね。山本太郎の結党以来の発言の主なものについては、『山本太郎が日本を救う』シリーズ2冊で冒頭に掲載しています。彼のぶれない発言をぜひ確認してみてください。

A くしぶち万里は英語も堪能で知性的な印象がありますが、なかなかどうして大石さんに負けない根性を感じます。国会での活動もたいしたもので、大石あき子に続いて予算案審議に抵抗して懲戒動議にかけられたとき、本会議で読み上げた「身上弁明」は格調高いものでした。

B 全文を書き起こして、「櫛渕万里の弁明」として<折々メール閑話>に掲載しましたので(「れいわによって守られた国会の品位」、『みんなで実現 れいわの希望』に収録)、この名演説はぜひご覧いただきたいと思います。そこにこんなくだりがあります。

 平和憲法と非核3原則、これを持ち、唯一の戦争被爆国である日本が、2度と戦争せず、国の確かな安全保障と地域の平和と安定に貢献できる道は何か。アメリカに追従するだけではなくて、時代の危機感を共有するすべての人と知恵と力を出し合い、もっと国会で真剣な議論を尽くし、国民の生命と尊厳を守るために私はあらゆる努力と行動をしていく決意です。
 なぜ海外の輸入を守るために牛を殺し酪農家を離農させてしまうのですか。食糧自給率はたったの38%、余った乳製品を政府が買い取ってそれを生活の苦しい人びとに配る救済策を行えばいいではありませんか。食料も自国で確保できない政権に安全保障を語る資格があるのでしょうか。

山本総理実現にかける高井たかし

A 幹事長をつとめる高井たかし(崇志)も、縁の下の力持ち以上の活躍ですね。れいわの要と言っていい。郵政省・総務省出身、立憲民主党衆院議員もつとめたことがありますが、今は国会の議席はありません。ウイキペディアによると、先に紹介した城山三郎の『官僚たちの夏』を中学時代に読んで感激、官僚を志したと言います。このところ次期衆院選候補者の紹介記者会見を行ったり、冒頭で紹介したようにテレビ番組にも出演したりして、れいわの政策を広めています。
 昨年、三重県津市に来た時にお会いしたことがありますが、全くかざらない人間味あふれる方だと思いました。山本太郎に男気を感じ、山本太郎を総理にすることに賭けていますね!「3年以内に山本太郎を総理にする」と熱っぽく語っていたのが印象的でした。次期衆院選での去就はまだ発表されていません。(敬称略)